毛包器官再生医療というものをご存知でしょうか。

現在、理化学研究所とオーガンテクノロジーズ、京セラが共同で研究を行なっている、人体から採り出した毛包を培養する医療技術のことです。 ひとつの毛包を、独自の技術によって複数に増やすことができるというのです。

実験では、培養した毛包を移植したヌードマウスから毛髪が生えており、その有効性が確認されたそうです。 現在では、臨床試験へ向けた、動物を使ったさらなる有効性や毒性の試験が行われています。

毛包器官再生医療の内容は

毛包器官再生医療では、人体から採取した毛包から毛乳頭細胞、上皮性幹細胞、色素性幹細胞の3つの細胞を採取し、それぞれを100倍ほどの数に培養し、この3種類を合わせて頭髪の種となる毛幹を作り出します。 そして作られた毛幹にナイロン製の糸を挿し込み、髪の毛の生えてくる方向を決定。 毛幹から髪の毛が生えてくるにしたがいナイロンの糸は押し出され、髪の毛が生えた状態の毛幹が完成するのだと言います。

ひとつの毛包から、およそ100個ちかくもの毛幹を作り出すことができ、 この培養した毛幹から生えてくる髪の毛は、抜けたとしても次から新しい髪の毛が生えてくることも、この実験において証明されたそうです。

従来の技術との違いは?

同研究チームリーダーによると、細くなることがない後頭部の髪の毛から幹細胞を採り出し培養させると、そこから毛が生えてくるとのこと。従来の自毛植毛手術だと、広範囲にわたって複数の毛包を採り出す必要がありますが、今回の技術では1cm四方の頭皮を切り出すだけで済むとのこと。 1cm四方の頭皮から採取できる毛包はおよそ100個で、これを培養することで1万本以上の毛幹を作り上げることができるのだと言います。

従来の移植手術に比べ、患者への負担が軽いこと、そして培養することで毛髪の数自体を増やすことができることがメリットだそうです。実用化は、2020年を当面の目標としているそうです。対象は、男性の壮年型脱毛症の治療のみとなっているそうです。

毛包を培養するメリット

基本的に、現状の自毛植毛手術と行なうことは同じですが、採取する毛包(毛幹)の数が少なくて済み、なおかつそれを培養することで毛幹自体を増やすことができるということです。

現在行われている自毛植毛手術は、採取した数と移植する数が最高でも同数です。採取する後頭部の頭髪が少ない場合は、頭頂部など気になる部分への移植数も少なくなってしまうということに繋がっています。
しかし、採取した細胞を培養することで、その制限が限りなく少なく済むというのは本当に大きな利点です。

実用化の道のりは?

実用化までのスケジュールは、2018年内は動物での試験が行なわれつつ審議され、2019年には大学病院での臨床試験。
これは半年から1年ほどの期間だそうです。そして厚生労働省の承認を得られれば、2020年の春頃には実用化の運びになるではと期待されています。  

 親和クリニックの公式サイトはこちら

 

投稿者プロフィール

福岡植毛 調査隊
福岡植毛 調査隊
マスコミ関連で働く40歳代 男性
趣味は、古い漫画(特に松本零士作品)を読むこと。
植毛(自毛植毛)手術を期に人生が好転。
恩返しに髪関連情報提供を誓う。