育毛だけでなく、日々の健康維持のためには各種ビタミン類の摂取が必要とされています。
先日、いつものように育毛によい薬剤やサプリなどを探している最中に興味深いページを発見しました。
少し前の発表なのですが、科学技術振興機構によるものです。

国立研究開発法人 科学技術振興機構
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20140411/index.html

ビタミンAの過剰摂取が引き起こすトラブル

東京大学 医科学研究所の倉島 洋介 助教、清野 宏 教授と独立行政法人 医薬基盤研究所の國澤 純 プロジェクトリーダーらの研究グループは、免疫細胞の一種であるマスト細胞が、皮膚や肺、腸管などの組織でそれぞれ異なる特性をもつ背景には線維芽細胞が関与しているとのことを発見しました。
そして皮膚では、線維芽細胞によるビタミンAの代謝がマスト細胞の慢性的な活性化を抑制し、皮膚炎を未然に防いでいることをマウス研究により解明したと言います。
線維芽細胞によるマスト細胞の性質の調節機構を紐解くことで、体のさまざまな組織で起こり得る慢性的な炎症やアレルギーに対する予防や治療法の開発につながると期待されています。

マスト細胞とは、アレルギーや炎症を引き起こす免疫細胞の一種です。
マスト細胞は、皮膚などの結合組織と肺や腸管などの粘膜組織とでは異なる性質をもつことが古くから知られていました。しかし、その特性が組織ごとに異なることの意味やそれぞれの特性がどのようなメカニズムによって調節されているかは不明でした。
皮膚においては、皮膚の線維芽細胞によってビタミンAの濃度が調節されており、過剰なビタミンAや線維芽細胞によるビタミンAを代謝する仕組みが機能しなくなった場合に
マスト細胞が異常に活性化し、皮膚炎が誘導されることを研究チームが発見しました。

これは組織ごとに異なる特性をもつマスト細胞の活性のかく乱が、人体で起こる慢性的な炎症やアレルギーの発症につながっている可能性を新たに示したものと言えます。
これにより、慢性的な炎症やアレルギーに対する予防や治療法の開発につながると期待されています。

人体にとって必須のビタミンですが、現在では所品類はもとよりサプリメントや薬剤としても摂取できます。
ビタミン剤には水溶性と脂溶性の2種類が存在しています。水溶性ビタミンは、過剰に摂取しても尿中へ排泄されるため副作用はないと考えられています。
しかし脂溶性ビタミンは、体内へ吸収されやすく尿中へ排泄されないため過剰な取りすぎにより過剰症をおこすことがあるのです。
過剰症には、ビタミンAでは食欲不振や嘔吐、脱毛、発疹など、ビタミンDでは食欲不振や頭痛などの他に血液中のカルシウム濃度を高め腎臓や血管などにカルシウムが沈着することも挙げられています。
これは血流の悪化につながりかねません。

過剰摂取で皮膚炎や脱毛も!?

ここで見逃せないワードである「脱毛」が登場しました。
育毛を考えて日々を過ごしている方は、日常生活のなかでビタミンの摂取を心掛けている人も多いはずです。育毛だけでなく、健康のことを考えたら積極的に摂取したほうが良いと考えるのが当然です。しかし、その摂取量も度を過ぎると却って身体に悪影響を及ぼしてしまうのです。

ビタミンA(レチノイン酸)は脂溶性ビタミンの1つで、欠乏すると一般的には夜盲症、いわゆる鳥目などの症状を生じることで知られています。
過剰摂取による症状としては、嘔吐や下痢、皮膚障害が起こり、慢性的に過剰摂取した場合には、頭蓋内圧の上昇や浮動性めまい、悪心、頭痛、皮膚炎、関節や骨の痛み、昏睡がみられ、死亡することさえあると言います。
ビタミンA過剰症は、その多くがサプリメント由来の既成ビタミンAや医療用レチノイド剤の過剰摂取によるものと考えられています。
ビタミンAを過剰摂取した場合、摂取を中止してから組織中のビタミンA濃度が低下するまでに長時間を要するので、不可逆的な肝障害を生じることもあります。
そして気になる脱毛ですが、皮膚炎が頭皮に影響を及ぼしてしまうということもあるでしょう。
さらに、血中のレチノイン酸濃度が一過性に上昇することにより、慢性毒性では頭蓋内圧亢進、皮膚の落屑、脱毛、筋肉痛が起こるのだそうです。
慢性的な頭痛があり、脱毛が進んでしまう。これは恐ろしいことです。
こういった症状があっても、普通はビタミンAの過剰摂取に起因することなど夢にも思いません。
ビタミン=体に良いものという、一種の思い込みがそうさせてしまうわけです。

一説ではビタミンB群の一種である葉酸(ビタミンM・ビタミンB9・プテロイルグルタミン酸とも呼ばれる)は、過剰に摂取しすぎると亜鉛の吸収が悪くなることがあると言います。
亜鉛と言えば、育毛にとって欠かせないもののひとつです。
その亜鉛も、過剰に摂取すると銅欠乏、吐き気、嘔吐腎障害、免疫障害、上腹部痛、消化管過敏症、下痢などの症状が発生するといわれています。ともあれ、ビタミン類にしろ亜鉛にしろ、規定量を超えるほど過剰に摂取しても良いことはないということです。

まとめ

はかた駅前通り博多区役所南口交差点ほど近くにある親和クリニック福岡院での自毛植毛にて頭髪を取り戻し、それ以来、人一倍ヘアケアに気を使っています。
術後も内服薬のデュタステリドや外用薬のハイブリッドミノキシジルを処方してもらっていますが、健康維持のためにもビタミン類は積極的に摂取するようにしていました。
しかし、いくら身体に良いとされているものであっても、何も考えずバカバカ摂り入れることは却って悪影響となってしまうということです。

『過ぎたるは及ばざるがごとし」と言うヤツです。

 

投稿者プロフィール

福岡植毛 調査隊
福岡植毛 調査隊
マスコミ関連で働く40歳代 男性
趣味は、古い漫画(特に松本零士作品)を読むこと。
植毛(自毛植毛)手術を期に人生が好転。
恩返しに髪関連情報提供を誓う。