AGA(男性型脱毛症)は遺伝性の脱毛症ですが、何らかの原因により頭髪を再生する能力が弱体化してしまうことも原因のひとつとして考えられています。
その原因を細胞レベルで研究した結果、機能を停止した卵胞の細胞を再活性化させることに成功した研究チームがあります。
随分以前のことですが、ペンシルバニア大学医学部の皮膚科の議長であるGeorge Cotsarelis医学博士が率いるチームです。
同チームは毛髪移植を受けた男性から採取した細胞サンプルを使用して、ハゲの頭皮と非ハゲの頭皮からの毛包を比較。
その結果、ハゲてしまった頭部の領域が同じ人の正常な頭皮と同じ数の幹細胞を持っていたことが分かったというのです。

出典:Penn Medicine News
https://www.pennmedicine.org/news/news-releases/2011/january/male-pattern-balding-may-be-d

幹細胞とは?

幹細胞とは、分裂して自分と同じ細胞を作る能力(自己複製能)と、別の種類の細胞に分化する能力を持ち、際限なく増殖できる細胞と定義されています。
例えるなら、人体を構成する内のAという細胞があるとします。そのA細胞が寿命を迎えてしまうまえに、新たに作り出すための補助を担う細胞といったところです。
人体を構成する細胞は多岐にわたり、なかには寿命が短い細胞も存在します。

生命を維持するため各種細胞は絶えず入れ替わり続ける必要があり、その組織を保つために必要不可欠なものが幹細胞というわけです。
さらに、組織が怪我をしたりダメージを受けたりしたときのため、幹細胞は失われた組織を補充する能力を持っています。
ちなみに、自毛植毛でも注目されている京都大学山中教授のiPS細胞も、幹細胞の一種です。

幹細胞が頭髪を復活させる!?

研究チームは、前駆細胞と呼ばれるもうひとつのより成熟した細胞が、ハゲた頭皮の卵胞では著しく枯渇していることを発見。
そして、ハゲかかっているのは卵胞の幹細胞の数ではなく、幹細胞の活性化に関する問題が原因であると推測しました。
AGAでは、実際には毛包は縮小しただけで消滅はしていないと言います。

ハゲた部位の幹細胞は枯渇しているのではなく、頭皮の禿げた部分の幹細胞のその数はハゲていない部位と比べて同じであること。
そして特定の種類の細胞の量に違いがあることも発見。
これは、ハゲの頭皮において幹細胞が前駆細胞に変換することの活性化に問題があることを意味します。
頭皮中に正常な数の幹細胞があるという事実は、それらの幹細胞を再活性化することへの希望を与えてくれるのです。

マウス実験では毛嚢が再生

2007年の研究では、成体マウスの毛嚢が一度発生中の胚でのみ活性化していた遺伝子を目覚めさせることによって再生することを発見。
研究チームは、マウスモデルにおける創傷治癒が、形成される新しい毛包の数を操作する機会の初期段階を生み出したと結論しました。
休眠中の胚の分子経路を活性化することにより、幹細胞は新たな毛包を形成するように同軸化されたのだそうです。
つまり、一度は休止してしまった毛包が、再び活力を取り戻したというわけです。

幹細胞を単離し、それらを拡大して頭皮に直接戻すことによって、男性型脱毛症に対する細胞ベースの治療法を開発するのに役立ち得る結果だということです。
さらに、研究チームは幹細胞を前駆細胞に変換して正常な大きな毛を生成するための研究を続けていくと言います。

頭髪の再生だけじゃない多能性に期待

これら幹細胞は、その種類が多岐にわたっています。
受精卵から作られる胚性幹細胞は、胎盤などの胚体外組織を除くすべての種類の細胞に分化できる多能性を有します。
また生体内の各組織にも成体幹細胞と呼ばれる種々の幹細胞があり、通常は分化することができる細胞の種類が限定されています。

骨髄中の造血幹細胞は血球のもととなり、神経幹細胞は神経細胞やグリア細胞へと分化。
肝臓を作る肝幹細胞、皮膚組織になる皮膚幹細胞、生殖細胞を作る生殖幹細胞などです。
そして薄毛である私たちが気になる再生医学への応用では、脂肪幹細胞移植が注目されています。

脂肪幹細胞は薄毛治療だけではなく、骨や軟骨、心筋細胞、血管を形成する細胞に分化する能力も保持しているため、様々な組織への再生医療の応用が期待されています。

現在、進行するAGAを食い止める手段としては、私が親和クリニック福岡院で行った自毛植毛手術のほか、フィナステリドやデュタステリドといった発毛用医薬品の服用などが用意されています。

今回ご紹介した幹細胞に関する研究は、それが即時の治療法というわけではなく、その前段階でしかありません。
研究が進むことで将来的には、AGA由来の薄毛化を食い止める一つの手段になるのかもしれませんが、それはまだ先の話です。
AGAは発症してしまうとノンストップです。
頭頂部の空洞化や生え際の後退を食い止めたいのであれば、専門医へのカウンセリングを受けて現状を確認することが大切です。
私は複数のAGAクリニックで無料カウンセリングを受診し、その結果、親和クリニック福岡院を選びAGAを克服しました。
薄毛を克服したいなら、考えるだけでなく、まず行動が必要です。

 

投稿者プロフィール

福岡植毛 調査隊
福岡植毛 調査隊
マスコミ関連で働く40歳代 男性
趣味は、古い漫画(特に松本零士作品)を読むこと。
植毛(自毛植毛)手術を期に人生が好転。
恩返しに髪関連情報提供を誓う。