自毛植毛業界にロボット登場―。医療の世界もIT化が急速に進み、その影響は手術室にまで及んでいることをご存知の方もいらっしゃると思います。繊細な作業が要求される手術室こそITの得意分野。技術革新が急速に進んでおり、実際にロボットを導入している医院もございます。それは植毛業界も例外ではありません。

私もクリニック選びの際、植毛ロボットについて調べてみました。しかし現状はまだメリットよりもデメリットのほうが大きいと感じます。

自毛植毛ロボットとは?

現在主流の植毛ロボットの名称は「アルタス(ARTAS)」。アメリカ・サンフランシスコのRestoration Robotics社が開発、製造している自毛植毛専用のロボットです。

アルタスは複数のCCDカメラで1秒毎に約50枚撮影可能。髪の密度や本数などを瞬時に算出、最適な間隔で毛髪を採取し植え付けるとこができます。アルタスⅡ、アルタスi9とバージョンアップしており、その度に性能がアップ。最新型はアルタスiXといいます。  

自毛植毛ロボットのメリット

髪の切断率が低い

髪は適当に採取すればいいというものではありません。大事なのは「切断率」です。切断率は髪の毛を採取する際、何本切れたかの割合となります。髪が途中で切れるとその髪は植えても生えません。実際に髪を採取する作業は手作業ですとかなりの時間を要します。

また肉眼では皮膚の下にある毛根の場所も正確には見えません。しかし機械は疲れるということをしりませんので、切断率が一桁でとても低いというデータもあります。

機械なので安定

ロボットによる作業なので常に一定の動きで作業してくれます。いわゆる「採りムラ」がほとんどありません。一般的な成人の毛髪密度のデータがインプットされているので、その密度を下回らないよう毛髪採取が可能です。均一に採取も可。傷跡も目立たなくできます。

自動化ですので、手作業だと時間のかかる一部工程は大幅に時間短縮できます。

費用が安い

これは意外に思う方も多いのではないでしょうか。大方の予想に反し、通常の術式よりリーズナブルな値段です。もちろんクリニックにより割引率は異なりますが、大体通常の自毛植毛手術より2~3割安くなっています。  

自毛植毛ロボ・アルタスのデメリット

ここからは自毛植毛ロボットのデメリットを紹介していきます。結論から申し上げますと、私は植毛ロボットを選択肢から外しました。それはメリットよりも以下の通りデメリットのほうが大きいと感じたからです。

広範囲から採取する、手術時間が長い

アルタスは後頭部や側頭部など、男性型脱毛症(AGA)の影響を受けにくいとされる部位から毛髪を採取します。ロボットは可動範囲が限られていますので、髪を多く採取しなければならない場合、通常より広範囲から採取することになってしまいます。また頭の形なども人それぞれ違います。ケースや体質に合わせた融通がききづらいのです。

さらにロボットの作業のほうが短時間で終わるという訳ではなく、むしろ遅いのです。医師が手作業で手術した方が早くて正確なのが現状です。ここに関しては、今後の技術革新で変わる可能性があります。一部工程は確かに速いのですが、現状では全体の作業時間短縮に至っていません。

アルタスを取り扱うクリニックが少ない

最新鋭の技術である植毛ロボット。アルタスを活用しているクリニックは一部の大手クリニックのみで、国内で広く普及しているという訳ではありません。他院との運用比較がしづらいのです。

まとめ

アルタスは可動域の向上やスピードアップなど越えなければならない課題が山積しています。植毛を専門にする医師の技量に到達するにはまだまだ先だと言えるでしょう。

私が植毛ロボットを回避した理由は、やはり信頼性に欠けるという部分が大きいです。植毛手術を受ける際は確かな技量を持つ医師にお願いしたいと考え、私は親和クリニック福岡院を選びました。 だだ数十年後は植毛ロボットが主流になる可能性もゼロじゃないため、今から注目しておくのもいいかもしれません。

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投稿者プロフィール

福岡植毛 調査隊
福岡植毛 調査隊
マスコミ関連で働く40歳代 男性
趣味は、古い漫画(特に松本零士作品)を読むこと。
植毛(自毛植毛)手術を期に人生が好転。
恩返しに髪関連情報提供を誓う。