未だに収束の気配さえ見せない新型コロナウィルス感染症による禍(わざわい)の最中ですが、世間では東京オリンピックの話題が取りざたされています。
開催の是非について意見する身ではございませんが、開催するのであれば選手の皆さんの罹患には十分に配慮してあげて欲しいものです。

スポーツの祭典であるオリンピックに出場される選手をニュース等で拝見する機会も増えてきたのですが、スポーツ選手なだけあってみなさん、立派な体格をされています。これは日々のトレーニングの賜物なのでしょう。
選手のみならず、日々の生活のなかに健康増進や心身を鍛えるため、運動やトレーニングを取り入れている方も多いでしょう。
そこで気になったのが、昔から噂される「筋トレするとハゲる」という話です。

噂に信憑性はない! ただし…

結果から言えば、筋トレすることが薄毛に即座に結び付くということは無いそうです。
もちろん、「筋トレするとハゲルる」という医学的根拠はまったくありません。では、なぜそのような噂が広がったのでしょうか。
それは、筋トレを行った際、体内での男性ホルモン増加からイメージされたものなのではと推測されます。
激しい運動を行うと、体内には男性ホルモンや活性酸素が増加します。
この過程が、薄毛状態を発症してしまう体内環境と直結した結果、筋トレするとハゲるという都市伝説が生まれたのではないでしょうか。

実際、筋トレを行うことで体内では男性ホルモンの一種であるアンドロゲンに属する
ステロイドホルモンのテストステロンが分泌されます。
このテストステロンはAGA(男性型脱毛症)とも関わりがあるので、それを増加させる筋トレ=ハゲまっしぐらであるとの疑惑が生じてしまったのではないかと思われます。

AGAは前に書かせていただいたようにDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンがヘアサイクルを阻害することで薄毛や抜け毛を招く症状です。
このDHTとは、テストステロンが5αリダクターゼと結びついて変化したものです。
しかしAGAの発症は、5αリダクターゼの分泌量と毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体の
感受性が関係してくるため、すべての人にとって男性ホルモンの増加がすなわちハゲに直結してしまうわけではありません。
テストステロンが増えたとしても、5αリダクターゼの分泌量が少なければDHTの産生は活発になりません。またDHTが増加しても、男性ホルモン受容体の感受性が低ければ成長抑制因子は発生しづらいのです。

産生ホルモンの増加がハゲに繋がわけではない

AGAの発症は男性ホルモンが関係しており、さらに遺伝とも密接に関連しています。
もちろんAGAは遺伝がすべてではなく、生活環境や食習慣といった要素からも発症するケースもあります。
もともとAGAになりにくい方であれば、筋トレによって体内でテストステロンが増加したとしてもそれが即座に薄毛へとつながる可能性は低いでしょう。

しかし、すでにAGAを発症してしまっている人にとっては、テストステロンの増加は危険です。抜け毛や薄毛を加速させてしまう要因に繋がってしまう可能性もあります。
AGAが進行している人は、自毛植毛や発毛薬の服用・使用などの対策を練る必要があります。

まとめ

日常的な運動は育毛にとっても身体の健康にとっても大事なことなので、これを機会にジムでのトレーニングをやってみても良いかもしれません。
過激なトレーニングというより、あくまで日常的な健康維持のために体を動かす程度になりそうですが。

 

投稿者プロフィール

福岡植毛 調査隊
福岡植毛 調査隊
マスコミ関連で働く40歳代 男性
趣味は、古い漫画(特に松本零士作品)を読むこと。
植毛(自毛植毛)手術を期に人生が好転。
恩返しに髪関連情報提供を誓う。