一般的にホルモンとは、人体を構成する物質のなかで、生体における代謝や神経伝達、分化などのあらゆる生体活動の調節機構に密接に関与する一群の物質のうちで、その生物自体の器官または組織で作り出されているものを指します。
生体の特定の器官(内分泌腺)で産生され、導管によらず直接血液中に内分泌され、産生器官とは離れた場所にある特定の組織あるいは器官に変化を生じさせる物質です。
現在、ホルモンと認められているものはおよそ50種以上あり、さらに増えています。
かいつまんで言うと、人体の生成にとって欠かせないものといったところでしょうか。

食品ではなく体内のホルモン

ホルモンといえば、ついつい焼肉屋さんのホルモンを思い浮かべてしまいますが、育毛を考えるうえでは、欠かせない要因として男性ホルモンが挙げられます。
男性ホルモンが多いと抜け毛が増えると口にされています。
では、その原因は何なのでしょう。どうして男性ホルモンが多いと抜け毛が増えるのか。そもそも男性ホルモンとは何なのかを考察しましょう。

精巣でつくられるテストステロン

男性ホルモンは、テストステロンという物質が全体の95%もの割合を占めています。
女性に比べて男性に多くあるのは、このテストステロンが精巣で作られているからです。
このテストステロンが多いと、「身体の筋肉を増強する」「体毛を濃くする」「性欲旺盛」などの効果が認められるそうです。さらに空間認識力や闘争心などにも影響を及ぼします。
こう見ると男性にとって必要不可欠なホルモンであることは間違いないのでしょうが、それでは何故、抜け毛が増えてしまう原因となってしまうのでしょうか。

皮脂の分泌量も増加

まず男性ホルモン=テストステロンが多いと、それに伴って皮脂の分泌量も多くなります。一説では、男性は女性に比べて2~3倍も皮脂の分泌量が多いと言います。
頭皮において皮脂が過剰に分泌してしまうのは抜け毛を増やす一因となってしまうのです。さらに、頭皮の皮脂の分泌が多いことで頭皮の炎症などのトラブルなども起こりやすくなります。
また、そんな皮脂を過剰に取り除いてしまうことも、これまた抜け毛の原因となってしまいます。ちなみに、テストステロンは前立腺がんに対して、がん細胞を増殖させる性質があるとされています。

参考:国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/testosterone.html

タンパク質の生成を阻害

そして、男性ホルモンが多いとタンパク質が減少してしまうということが考えられます。
髪の毛は、そのほとんどがケラチンというタンパク質で生成されています。
テストステロンは、タンパク質の生成を阻害する作用もあります。
髪の毛を作り出すために必要不可欠なタンパク質が減少してしまうと、健康で太い髪の毛を作り出すサイクルが乱れてしまい、結果的に髪の毛が細く弱くなり、その結果として抜け毛が増えていってしまうのです。

テストステロンがDHTに

さらに、男性ホルモンが多いとAGA(男性型脱毛症)とも深い関係があります。
AGAはジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの増加によって引き起こされます。
DHTは、テストステロンと5αリダクターゼという酵素が結合して発生します。
とういことで、テストステロンの量が多いとAGAになりやすくなってしまうと結論付けられます。
ジヒドロテストステロンにつきましては、本コラム2021年4月16日投稿の「ジヒドロテストステロン(DHT)と5αリダクターゼとは」にて記載しています。

自毛植毛は抗AGAの切り札

男性らしい身体の構成に欠かせない物質ではありますが、抜け毛やAGAに繋がってしまう一因でもある男性ホルモン。
皮脂の過剰分泌やたんぱく質などについては洗髪法の見直しや食事療法など簡易的な処置がありますが、AGAに関しては自毛植毛や治療薬の服用といった専門的な手法を採るしかありません。

私は親和クリニック福岡院での自毛植毛と、その後の同クリニックで処方してもらっているデュタステリドの服用、ハイブリッドミノキシジルの外用という日常的な処置でAGAに対処しています。
薄毛に悩んでいる方は、ただ悩んでいているより、失う前に何らかの処置を講じてみてはいかがでしょうか。

 

 

投稿者プロフィール

福岡植毛 調査隊
福岡植毛 調査隊
マスコミ関連で働く40歳代 男性
趣味は、古い漫画(特に松本零士作品)を読むこと。
植毛(自毛植毛)手術を期に人生が好転。
恩返しに髪関連情報提供を誓う。